当記事では人間を雇う企業のリスク・倉庫内のセキュリティ・倉庫自動化について元トラックドライバーのぎん丸が持論を述べます。
3月3日、千葉県八千代市にある物流倉庫で火事がありました。
こちらの物流倉庫は大手ドラッグストアが使用している物流倉庫であったためシャンプーや洗剤等の日用品が多く保管されており、周辺にはおびただしい黒煙と共に何とも言えない異臭が漂っていたとか・・・
なんとこの火事の原因は放火でした・・・
3日、千葉県八千代市にある倉庫が約7時間にわたり燃えた火事で、警察は、この倉庫で働く派遣社員の男を放火の疑いで逮捕した。
非現住建造物等放火の疑いで逮捕されたのは、火事があった倉庫で働く派遣社員・前田翼容疑者(29)。
警察によると、前田容疑者は3日午前9時45分ごろ、八千代市大和田新田にある物流倉庫にライターで火をつけて、約600平方メートルを全焼させた疑いが持たれている。この火事によるケガ人はいなかった。
前田容疑者は、火事があった倉庫に3日の出火直前に出入りしていたことなどから関与が浮上したもので、調べに対し「ライターで火をつけた」と犯行を認めているという。
警察で、火をつけた動機などを調べている。
引用:yahooニュース
憶測ですがこの容疑者は物流倉庫内で商品の入出荷・ピッキング・パッキング等の作業をしていたのでしょう。
倉庫内作業は商品の入出荷・ピッキング・パッキングなど特殊の技能を必要としない誰でもできる簡単な軽作業です。
ちなみに物流倉庫内の作業はほぼ協力会社・下請け・アルバイト・派遣社員で成り立っています。
本体の正社員なんて事務員と現場責任者のごく一部しかいません。
誰もが知る通販最大手のアマ〇ンもです。
会社からすれば誰でもできる軽作業に人件費の高い正社員を雇う必要性を感じないのでしょう。
今回の放火事件から倉庫業が抱える大きなリスクが垣間見えたような気がします。
企業が人間を雇うのは最大のリスク

極論になってしまいますが企業が人間を雇うことと同時に最大のリスクを抱えることになります。
今回の物流倉庫での放火事件のケースでそのリスクがあからさまになってしまいました。
そもそも倉庫のような広いスペースでは責任者の目が届きにくく、そこで人間を働かせるのは企業にとってリスク以外ないのです。
ぎん丸も倉庫内で責任者として経験がありますが商品の盗難・無断欠席・ケンカは日常茶飯事で放火未遂も経験した事があります。
人間はトラブルメーカーです。
人間は人の目が届かないと何をするかわかりません。
当たり前の事ですが企業にとってそれが最大のリスクなのです。
今回の放火事件は一人の人間の身勝手な行動で、この物流倉庫を管理する企業は数億円~数十億円の巨額の損害請求を被るはずです。
保険等で支払われる金額はわかりませんが大企業でも経営が傾く・中小企業なら簡単に倒産してしまう金額です。
数年数十年と積み重ねてきた会社の信頼と資産が一人の人間が行った愚かな行動で一瞬に吹き飛んでしまう・・・
しかも自社の正社員でなく派遣社員が・・・
ぎん丸が経営者なら思います。
追記:火災があった(株)ツルハホールディングスから業績への影響・納品体制に支障はなく物流倉庫も本日より通常稼働されていると公式発表がありました。
良かったですね。
倉庫の出入りを管理するしかない

今回の放火は容疑者がライターを倉庫内に持ち込んで火をつけました。
だとすれば今後未然に今回のような放火事件を防ぐには人間が倉庫を出入りする時には手荷物チェックをするほかありません。
「不要なものは持ち込み禁止!」
なんて言っても人間はルールを簡単に破ります。
強制的に管理しなければ倉庫内への持ち込みは防げません。
ちなみに大手通販会社の物流倉庫は航空各社の国際線並みにセキュリティチェックが厳しく、ライターどころかスマートフォン・財布でさえの私物を倉庫内に持ち込むことは絶対にできません。
個人個人に貴重品ロッカーが与えられそちらに保管しなければなりません。
誰もが知る通販最大手のアマ〇ンもです。
さらに倉庫を出る際には警備員に金属探知機で荷物チェックされる始末です(笑)
今後企業はセキュリティに投資するか自動化に投資しないと今回のような人災である大損害を被る事件が何度も起こるでしょう。
経営者の方々はどう考えているのか興味があります。
倉庫業の完全自動化は遠くない!?

人間を雇うことがリスクならば完全自動化して人を雇わなければよい。
一見極論のようですが以外にもそう遠くない未来は完全自動化されるかもしれません。
例えば通販大手の巨大物流センターは自動化による仕分けが始まっています。
某巨大物流センターでは都内や航空貨物などで集められた荷物を全国70か所にあるターミナルに送るため、自動化による仕分けを行っている。
時速9.7㌔で動く自動仕分け機「クロスベルトソーター」で年間18億個フル稼働で1時間に48,000個の荷物を仕分けられるという。
これまでも地方では未だに人間の手によって集荷され仕分けを行って来たものだが、都心に集中する荷物の仕分けは今や自動化が進んでいる。

ここ数年で増化を見せているeコマース(ネットショッピング)の宅配も急速にロボットによる自動化が発達している。
物流の仕組みは→在庫管理した後、注文~ピッキング~梱包~出庫というもの。ピッキングは人間が行うと1日20㌔約20,000歩も歩いてしまう人も居るほど超ハード作業。


従来人間が20,000歩、歩いていた作業を完全自動化のロボット同士が華麗な動きでリカバーする。
人工知能AIを導入しピッキング作業効率は従来と4.2倍にもスピードアップされました。
引用:オンデマンドストリート
ファーストリテイリングが傘下に持つユニクロの有明倉庫もすでに自動化するプロジェクトを始めています。
驚くことにこちらの倉庫では資格が必要なフォークリフトですら登場しません。
積み降ろしや片付けまで自動化しています。
ファーストリテイリングによると、「入庫生産性80倍、出庫生産性19倍、保管効率3倍、ピッキング作業者の歩行数0歩、教育コスト80%カット、RFID自動検品精度100%を実現した」という。
24時間AIカメラによる遠隔監視を行い、24時間稼働も実現している。
ファーストリテイリングでは、日本国内のみならず全世界の物流拠点で自動化を進める計画で、1拠点あたり10億円から100億円を投資し、総額で1000億円の物流投資を計画している。
倉庫を自動化したことで、約100人だった倉庫の人員を10人まで削減し、省人化率90%を実現した。
一部引用:Lnews
身勝手な人間の人件費・教育費・放火・盗難するリスクを考えればファーストリテイリングにとって1000億円単位の投資でも高くないのですね。
柳井正会長兼社長は、「ファーストリテイリングの成長のためには物流がしっかりしないといけない。
さまざまな企業とのパートナーシップを検討したが、世界一信頼できて一緒に最後までやっていけるのはダイフクしかない。
ここにいる全員が反対すると思うが、2、3年で世界中に自動倉庫を作っていく」と語った。
引用:Lnews
柳井さんは本気で自動倉庫を普及させるつもりです。
優秀な経営者がいる企業は必要不可欠な設備投資にお金を惜しみません。
おわりに
ユニクロの倉庫の件でもわかるように、今後倉庫業は間違いなく自動化が普及します。
人手不足という大義名分の元、優秀な経営者は設備投資を続け人件費を減らし人間を雇うリスクを減らし続けるでしょう。
自動化が進む倉庫業で一番先に影響があるのは協力会社・下請け・アルバイト・派遣社員として働くあなたです。
最後まで記事を読んで頂きありがとうございました。
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