こんにちは元トラッカーのぎん丸です。
前回の重量屋はガテン系職人の最高峰だと思う件で紹介した、特殊輸送のプロ軍団その名も重量屋。
当記事ではガテン系職人の最高峰である重量屋の、作業単価・ボーナス・資格・1日を事細かく紹介していますので、現役や重量屋になりたい人は必読の内容となっていますので、特殊輸送のプロ重量物屋に興味のある方、又はなりたい方は必見の内容となっています。
重量物屋の給料
さてまずは一番あなたが気になる重量屋の給料からいきましょう。
日給月給ということはその日に働かないと給料はもらえません。
そもそも重量屋が作業するに、お客様からもらえる作業単価と日給はどれくらいもらえるのでしょうか?
重量屋の作業単価(お客様から頂く金額)
- 18,000円〜55,000円(例外有り)
- 福島原発関係は10万~らしい。
重量屋の日給(会社が職人に渡す日給)
- 10,000円〜30,000円(例外有り)
- ぎん丸が重量屋でアルバイトしてた時は日給15,000円。
重量屋の月給
月給にすると20万円〜60万円以上と非常に幅広いです。
給料体系としては幅が広いですので、下っ端(アルバイト)から親方クラスでは日当が倍以上の差があります。
そんな重量屋の就業規則はあいまいなため、極端な話をしますと一カ月休みなしで働く事も可能です。
タフな人は昼→夜→昼→夜なんて普通にこなしてしまいます(笑)
裏を返せば頑張れば頑張るほど稼げるというわけです。
ちなみにお客様から頂く現場での作業単価は、ベテランだろうがそこら辺の素人学生だろうが1人あたりのお客様から頂く作業単価は変わりません。
※作業責任者は高い設定の場合有り。
全体的な作業単価は他の肉体労働系の職種に比べたら良いほうだと思います。
重量屋の仕事は高度な専門職であり高単価なのです。
重量屋の賞与(ボーナス)
賞与というのは業績に応じて企業が利益を得た上に従業員に還元することで支払われれるので義務ではありません。
ボーナスは町の小さい重量屋さんでは10万円~出ればよいでしょう。
日本通運・日立物流・上組・丸全昭和などの超大手企業とは比べてはいけません。
彼らは年間基本給の3~4か月分のボーナスをもらっています。
そもそも大手企業には労働組合があって毎年の昇給や賞与について団体交渉してますので、給与待遇や福利厚生が充実しています。
町の重量屋さんに労働組合なんてありませんので、社長の鶴の一声で給料やボーナスのすべてが決まります。
ちなみに普段の給料が少なく、ボーナスがそれなりに出る会社はある意味要注意です。
普段の日当からピンハネしている分をまとめてボーナスで支給しているのではないかと疑ってしまうところ。
したがって町の重量屋さんの場合はあっても10万円程度の寸志のみと考えて下さい。
もしあなたが重量屋に就職したいと思っているのならボーナスよりも日給の金額を気にしたほうが良いかと思います。
※物流業界の巨人「日本通運」についてはこちらの記事をご覧ください。

重量屋の仕事量


重量屋は人手不足で職人同士の横のつながりが強く、自社の仕事がない時でも他社の仕事を手伝うなど仕事は絶えずあると言えるでしょう。
つまり頑張れば頑張るほど稼げますが、仕事の少ない会社に入ったり休みが多くほしい人は稼げません。
重量屋は独立したほうが稼げるのか?


長年の経験・技術を積み重ね、お客様の信頼を得ると誰でも一度は考える肉体労働系の仕事でありがちな独立。
もちろん重量屋の職人も経験を積んでから独立するケースも少なくありません。
しかし独立と一言っても2つのケースがあり今後の収入に大きく変わってきます。
一人親方(個人事業主)
- 固定のお客様がいない人は主に一人親方(個人事業主)で下請けとして仕事をする
- 雇われの身よりも収入アップを求める人がなるケースが多い
- 給料は各元請けごとに決められているので、実際は雇われの身とあまり変わらない
- 結局は会社に縛られたくない自由人が多い印象
会社を設立する(経営者になる)
- 自分自身に信頼を寄せている固定のお客様がいる人は、自分で会社を立ち上げて自社で仕事を請け負う人も多い。
- 大手企業で働き固定の顧客を掴み独立し、顧客ごとひっぱていく人も多くいる
- 起業は軌道に乗ればかなりの収入が期待できる
- 社長なのでもらったお金を生かすも殺すもあなた次第
重量屋のスケジュール
これからは重量屋の就業時間、残業、出張などについて説明していきます。
重量屋の就業時間
重量屋の就業時間はあってないようなものです。
重量屋の仕事は特殊作業が多いため就業時間は早朝から深夜と様々です。
通常の企業と違い8:00~17:00なんて具体的な就業規則のようなものは先ほどの大手企業を除き、決められた就業時間なんてないと思ったほうが良いでしょう
そして重量屋の仕事は元請けの場合と下請けの場合があります。
元請けの場合
- 会社で朝、機材準備いわゆる 段取りがある※前日積みもあり
- 仕事が終わったら片付けがあり機材のメンテナンスや会社で事務仕事・雑用あり
下請けの場合
- 身体一つ必要な個人の道具を持って直行直帰がメイン
- 基本的に現場終わりじまい(日当保証あり)
- 元請けの準備・片付けを手伝わされる場合もあり
重量屋の残業時間
重量屋の仕事は残業は少ないです。
作業終了時刻が決められている現場が多く、会社~現場までの移動時間は労働時間に含まれないために残業になる事はまれです。
重量屋の仕事はシビアで肉体的もきつく、事故・怪我のリスクを抑えるために長時間の作業はしない事が多いのです。
現場への移動時間や帰る移動時間は残業にならないために、拘束時間は非常に長いです。(大手企業は移動時間も就業時間とみなされるため、残業代が出る)
重量屋の出張
重量屋の仕事は特殊技術が必要なため、機械を輸送、設置する先々へお客様の要望により、自ら出張する事が非常に多いです。
北は北海道、南は沖縄、海外出張なんて事も普通にあります。
出張期間は工期によって決まり数日~数ヶ月と幅広いです。
出張先への移動手段
- 新幹線
- 飛行機
- 車
機材や機械を自車で輸送する場合はトラックや車での移動になります。
機材や機械を協力会社に依頼する場合は新幹線や飛行機で優雅に移動できます。
近距離なら良いですが沖縄や北海道までフェリーに乗って移動するのはとても大変で体が疲れます。
出張先の宿
- 短期ならビジネスホテル
- 長期なら良ければウィークリーマンション
- 悪い時は相部屋オンボロ旅館
会社の規模やお客様の予算にもよりますが、相部屋だけは勘弁してほしいところ。
色々な場所に行けて良いかと思うかもしれませんが、年中出張に行っていると仕事とはいえ飽きてきますしお金がいくらあっても足りません。
重量屋の必要資格


重量屋は特殊輸送のプロ集団です。
重量屋になるためには必要最低限の資格を持っていた方が良いでしょう。
資格を持っていなくても仕事はできますが、仕事の幅が限定されてしまい給料も低くなってしまいます。
※すでに下記5種類の技能講習に合格し有資格者であれば給料も優遇されるでしょう。
資格を持っていなくても会社が資格取得制度のある会社も多いので安心して下さい。
フォークリフト運転技能講習


- フォークリフトを運転、操作するための資格
重量屋であるには基本中の基本です。
絶対に持っておいたほうが良いでしょう。
※関連記事はこちらをご覧ください↓



玉掛け技能講習


- 重量物をクレーンのフックに荷を掛けたり外したりできる資格。
機械、機材をクレーン等で吊る時に必要。
こちらも重量屋であるには基本中の基本です。
※関連記事はこちらをご覧ください↓






小型移動式クレーン運転技能講習
- つり上げ荷重1トン以上5トン未満の小型移動式クレーンが操作できる
通称「ユニック」機械を吊るだけでなく、機材等の荷降ろし時に必要
※操作のみ。フックに荷を掛け外しするには玉掛けの資格が必要です。
※関連記事はこちらをご覧ください↓






高所作業車運転技能講習
- 作業床の高さ10M以上の高所作業車の操作に必要
通称「高車」
装置の解体や高所作業時で必要です。
※関連記事はこちらをご覧ください↓






床上操作式クレーン運転技能講習
- 吊り上げ荷重5トン以上の床上操作式クレーン運転作業をする時に必要
※運転作業のみ。フックに荷を掛け外しするには玉掛けの資格が必要です。
通常「天クレ」「ホイスト」
※関連記事はこちらをご覧ください↓



重量屋のメリット、デメリット
やりがいがある
- 特殊な物を扱う為、誰でもできない仕事
- なので仕事終わると充実感がハンパない
- この充実感を味わいたい為に重量屋を続けている人が多い
技術が身につく
- 重量屋の仕事は多岐にわたるため、特殊技術が身につく
いろいろな場所に行ける
- 出張で全国、海外に行く事が多く各地の美味しい料理を食べれる
- 観光名所など普段なかなか行けない場所に行ける
- その土地の人と出会える
事故
- 重量物と建物の間に身体が挟まれ骨折、死亡する
- 重量物の下に指、足を挟まれ切断する
- クレーンの荷物が落下し、下敷きになり死亡する
- 高所作業時、転落し骨折、死亡する
※実際にぎん丸の知り合いも5トンの機械に指を挟まれ右指3本を失っています。
重量屋は重量物を扱う為、事故、怪我、最悪は死と常に隣り合わせで仕事をしています。
業界がブラック
- 怖い人が多い
- 休みが少ない
- 拘束時間が長い
- 就業規則なんてない
体調を崩すことが多い
- 出張が多いため外食が多くなる
- 拘束時間が長く体調を崩す
お金が貯まらない
- 出張が多いため、パチンコや毎晩飲みに行ってしまいお金も貯まらない
- キャバクラ・フィリピンパブに入り浸り出張に行くたびに赤字で借金を抱える
おわりに
重量屋は特殊な仕事をしているため普段から神経をすり減らし、非常にシビアな環境で仕事をしています。
だから出張に行ったら気晴らしにキャバクラやフィリピンパブに行ってしまいうのです(笑)
冗談はさておき重量屋はその卓越した技術と経験と勘で、普通の人間が運べない物をいとも簡単に運搬・搬入・据付までをやってしまうプロ集団です。
- 「東京スカイツリー」
- 「種子島のロケット」
- 「高速道路の架橋」
- 「東日本大震災」
- 「風力発電」
- 「高速道路の橋梁」
巨大な建造物には必ず重量屋が関わっています。
重量屋の仕事は大変ですが、とてもやりがいのある仕事だと思います。
※重量屋についてはもっと詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓









ぎん丸様
はじめまして(^^)
重量屋さんの事がとても勉強になりました。主人が、47年間やっていて給料、ボーナスのめんで、とても不満に思っていました。長い間の胸のつかえが取れた気がします。ありがとうございます。
おもち様コメントありがとうございます。
返信が遅くなり申し訳ございません。
重量屋は世間では馴染みのない職業です。ゆえに給料面も不透明です。
当ブログ記事を読んでいただき胸のつかえが取れたなら幸いです。